南野 尚紀
フィレンツェのヴェッキオ橋の近くに、本屋があることがずっと気になっていて、ホテルでのウェブサイトの編集が終わった一区切りついたこともあり、街の方へと出てみることに。
イタリアの雨は日本に比べ、空気が乾燥としてるので、夏は降られてもぜんぜん嫌な気分にならない。
ローマもミラノもキレイな街だったけど、フィレンツェはキレイでありながら、どこか落ち着いた雰囲気のある土地だ。
夜、街を歩いてると、急に街の明かりが恋しくなったり、今まで以上に長くバルに居座ってたいって思ったり、もっとだれかと話したいって気分のさせる、そんな街でもある。
フィレンツェは、ダンテ、マキャベッリ、ボッティチェリを輩出した街でも知られているし、イタリアのポップススター、イレネ・グランディもこの土地の出身で、街を歩いてても、アートや美に関心が強くある街なんだなぁって感じる。
このエッセイを書いた後、見たんだけど、ディズニーアニメにもなってるピノッキオもフィレンツェだ。
ローマは絶世の美女クレオパトラと結婚したことで有名なアントーニみたいな、古代ローマの英雄とか哲学者を輩出した街だからか、もっと荘厳な美を意識されてる。
ミラノはむしろ、現代的なビルとか、今まで見たことないような複雑なつくりをした高層マンションもあった。
Vertical Forestっていうマンションは、家賃を調べたら概算で3億円以上するらしい。アパレルショップや清潔感のあるカフェも多く、若い人がよろこびそうな美を意識して街づくりがされている。
フィレンツェの美意識は、もっと老成してて、おだやかな美を意識してるんだろう。
ダンテにはこういう名言がある。
「心の安定のためには、女性への哲学と、生活への気遣いが大切だ」。
ダンテは怒るのがひどく苦手なひとだったそうが、だからこそ、いつ怒るべきかをよく考えていたんだろう。
地獄編はそんな詩人の怒り、煉獄編は耐えることの大切さ、天国編は愛すべき人を慈しむことの哲学とその理想が描かれている。
天国編パズルも買った。絵本も読むのが楽しみだ。
この店はダンテの本がたくさんあるし、美術、旅行の本も多い。
文房具や雑貨も揃ってるけど、イタリア語がわからない場合は、たいてい、英語の美術書、旅行本、文房具、雑貨を買うことになるので、この本は観光客にもいい。
店員のおばさんに「この店をサイトで紹介する」って言ったら、最初はどういうことなのかわかってもらえなかったけど、わかりはじめるにつれてうれしそうな顔になってきたを見て、僕もうれしくなった。
サイトは必ずいいものにしよう。
僕は精神的な美しさも好きだけど、それともちろん関係がある、外見のキレイなものも好きで、ヴェッキオ橋にはジュエリーショップしかない通りがあるので、動画、ぜひ見てみてください。
ダンテ好きにはたまらない本屋も、お越しの際にぜひ。
フィレンツェ・ヴェッキオ橋近くの本屋 Giuniti al punt
了
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