南野 一紀
ローマのテルミニ駅を北西に20分くらい歩くと、ビア門があって、さらにその先の小道を進むと、「Sushi sun nomentana」っていう名前のイタリアンジャパニーズレストランがある。
イタリアンジャパニーズレストランって、日本のいいところを詰め合わせて作った内装のお店が多くて、僕は日本人だから、ああいうのはすごく素直にうれしい。
中には、フジヤマ、ゲイシャ式のオリエンタルなイメージの日本の姿をみると、ほんとの日本と違うんだけどなぁって思うひともいて、それはそれで自由。
とにかく「Sushi sun nomentana」っていうレストランのサーモン寿司の盛り合わせはおいしくてクラクラしそうだった。
最初に、梅酒、メニューには、「Ume spiritz」って書いてあったけど、日本の紀州南高梅酒とは違くて、ドロドロしてない、さわやかでスッキリした飲み口が好きになって、2杯飲んだ。
梅の味は活かしつつ、飲みやすさをしっかり残すこのセンスはすごいなぁって思った。
おにぎり弁当、ベントボックスって言ってたから、最初はなんのことだろうって思ったけど、そのまんまお弁当のことだった。
梅酒を飲みながら、ゆっくりスマホで、イタリアの歌手ラウラ・パウジーニの歌を聴きながら、料理が来るのを待っていたら、10分くらいでサーモン弁当、正式名称でいえば、サケベントボックスが到着する。ちなみに、サケベントボックスって、なんか日本人には馴染みがない響きだから、素敵だなって思ってる。
あとで写真も貼るけど、いわゆる、チラシ寿司とかが入ってる箱に、区分けされて、いろんな種類のサーモンが入ってた。
味ももちろんだけど、ヴィジュアルがすごくいいなぁって感じる。
わさびもお花みたいな形になってるし、箱に余白がある。日本料理のいい部分をイタリア風にアレンジする力、日本にも広く伝えたい。
ぜんぶおいしかったけど、中でも感動したのが、炙りサーモンに、天丼のタレにも似た少し甘口のタレがかかっていて、その上に天カスをたくさんまぶしてあるものだ。これが炙りサーモンの脂身とすごくマッチしてて、大袈裟にいえば、ビーフステーキ食べてるみたいな味の濃さがある。
帰りに、レジでウエイターの男の人、オーダーの時にしゃべったから、イタリア語、英語、日本語が話せることはわかってて、基本は日本語と英語で話してたんだけど、イタリア語で伝えたいと思って、「Molto buono grazie モルトボーノグラッツェ おいしかったです、ありがとう」って言ったら、「ありがとうございます。実は僕、母親が日本人なんですけど、ずっとローマに住んでます」と言ってた。
そのあと日本語で、「炙りサーモンに天カスが乗ってるの、あれ、日本では食べたことなかったんですごくおいしかったです。梅酒もスッキリしてて、すごいと思いました」って言ったら、「あれ、僕がアレンジしたんです。よろこんでもらえてうれしいです」って、イケメンの彼、笑顔で言ってたから、こっちもうれしい気持ちになったのを覚えてる。
その店はアジアのひとが多くて、レジを担当したのは中国の中年の女のひとだったんだけど、そのひとにも中国語で、「非常感谢フェイチャンガンシエ ありがとう」っていったら、「你会说中文吗?ニーフイシュォージョンウェンマ? 中国語しゃべれるの?」って聞かれたから、「我会说中文。ウォーフイショォージョンウェン しゃべれますよ」って答えて、店を出た。
ローマに来てからは、日本語、英語、中国語、イタリア語、英語中心で他の三カ国語もぜんぶ使うから、けっこう頭を使う。
もっともイタリア語はまだまだだから、ちゃんと勉強するし、語学交換アプリも使ったり、日常でもたくさん使うつもりだけど。
「Sushi sun nomentana」のURLも貼っておくので、ぜひローマを訪れた際には、お立ち寄りください!
お店の看板に「Yoyogi」って書いてあるのを見たから、インスタにはそう書いたけど、ネットで調べたら、「Sushi sun nomentana」がほんとの名前らしいです。
僕もまたここ来たいなぁ。いいお店だったから。
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イタリアンジャパニーズレストラン sushi sun nomentana 公式ウェブサイト
了
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