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イタリア生活物語 Italian Relieving Life 第3夜 ローマの秋の夜は長い、Guessing heaven, Electra

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南野 尚紀 

 ローマのホテルについて、飛行機の中で寝過ぎてしまったし、機内食も食べたので、運動をしよう、ということで、ホテルからトレヴィの泉まで夜の散歩をすることにした。
 まだPisaのゲストハウスにはついてないから、生活物語っては言えないかもしれないけど、もうイタリアも慣れたので、旅をしてるという感覚はそこまでない。だから、これを書こうかなと思いついた。
 部屋を出たのは夜の12時半くらい。Googleマップを開き、場所を調べてみる。
 ホテルからトレヴィの泉までずいぶん遠いんだな、コロッセオの近くのホテル取ったはずなのにコロッセオからもずいぶん遠いし、とか、間違った場所のホテルを取ってしまったことも理解して、トレヴィの泉へ出発。
 北に向かって、川沿いを行く。
 11月のローマの夜は、シャツ一枚だと肌寒くて、これからもっと寒さが厳しくなっていくんだろう、それにしてもライトアップされてる黄色く色づいた葉がキレイだなとか思い、時々、自分で考えることを英語で考えたりもしながら、Googleマップを頼りにひたすら歩く。
 ライトアップされた遠い歴史を感じさせる白い建物、オレンジ色の街灯に照らされたアスファルトの落葉、通りを歩くハロウィーンパーティの帰りらしい、デビルの耳当てをして、傷のペインティングを顔に施した女性。
 閑散といた街を歩いていると、ヴィットーリオエマヌエーレ2世が建てた建物に到着。
 イタリアンガイドみめさんは、人によってはバースデイケーキのようでカッコよくないと言ったりすると紹介してたが、芸術性よりも荘厳さを感じる。
 ここまで来るとだいたい道がわかり、ここは紹介できなかったけど、ガイドブックを多く売ってる本屋だなとか、トレヴィの泉の近くに来ると急にゴミが増えるんだよなとか、以前、来た時のことを思い出す。
 賑わっているバルを見て思った。
 これだよこれ。イタリアにはこの賑わいがあるのがいいんだよな。日本にはない独特の親密な感じ。写真を撮ろうとすると、若い男2人が話をかけてきた。
 英語があまり話せないらしく、こっちはなにを言ってるかわからなかったけど、なにか通りの名前を言いながら笑っていて、そこがどうのこうのと言っている。
 「Romaに住んでるの?」と聞かれたから、「Romaには住んでない」と答えたら、なにかを話していて、僕が「Pisaに住む予定だ。Toscana」と言ったら、驚いてた。
 もっと驚いたのが、ピサと言ったら、相手が「ピザァ?」と聞き返してきたことで、そのあと調べてわかったことだけど、Pisaはイタリア語では「ピザァ」と発音をするようだ。
 その2人と写真を撮り、別れて、トレヴィの泉へ。
 トレヴィの泉にはパトカーがずっと停まっていて、悪いことをする人がいないかを見てる様子だった。
 オレンジ色にライトアップされた夜のトレヴィの泉。
 「La Dolce Vita」で観た、マルチェッロ・マストロヤンニとアニタ・エグバーグのキス。猫がかわいそうだと言って、ミルクを買ってくるマストロヤンニ。映画の冒頭の女性の「親が金持ちすぎると経済的な自立がむずかしくなる」という言葉。東洋が好きな冒険家だが、15年もう東洋に行ってない男。「イタリアは超自然的現象を信じる国」と言いながら、スポーツカーを走らせる男女。
 頭によぎる映画のシーンの数々。
 タクシーを待ちながら、詩を書いた。

 Guessing heaven, Electra

With me
Electra!!
Do you know my soul?

I want to walk around Trevi fountain
I want to walk from Florentine’s Duomo to David on top of the hill
I want to talk about heaven and temptation
Don’t you like warm coat?
December
Roma is very cold
Max Mara, DIOR, Michael Kors, GUCCI
Maybe you said “Its expensive too?”
In one book, you also said “He has a lot of money too.”
Is that why God angry us?
Do you have enough trusting heart?
Your brave soul said “I’m tired for doubtful bad monster.”
Why do we live on Earth?
For making mentally medicine?
For looking at our daughters?
For the selfishness of Beatrice?
Anyway
We should guess heaven
For changing Earth to heaven

 この詩をスマホで書いた後、ZARAの近くのタクシー乗り場にタクシーが来ないと思ってたら、後から来た人がすぐにタクシーに乗ったので、多分ここは電話で呼んできてもらう乗り場なんだろうと思い、通りの反対側のバスに乗ることに。
 この時すでに夜の3時半。バスは超満員だ。
 バス停で待ってる女性に、「テルミニ駅に行きたいんだけど」って言ったら、「スマホで調べると出てくる」と言って、調べ方を教えてくれた。
 その時に知ったのが、「My phone is dead」という表現。電話が死んだという言い方で、スマホのバッテリーがなくなったことを表すんだなと。
 彼女はルーマニア人女性だそうだ。
 ローマに来て、2年になるとのこと。
 彼女は手を振って、バスを停めると、僕にも何回も笑顔で手を振ってくれた。
 やっぱり、東ヨーロッパの女性はいいな。もちろん、イタリア人もいいけど。
 その後、彼女が教えてくれた通り、n5のバスに乗った。
 夜中の3時なのに、乗車率200パーセントくらいで、途中、体が70度くらいに傾いて、足で体重を支えてない状態になったが、それでも客は乗ってくる。
 パーティの帰りの騒いでる若い男たちが歌を歌ったり、ギリギリでバスのドアが閉まると、イエーイフー、みたいな感じで叫んでて、なんなんだこのバスはと思いながら、乗ってた。
 少し客が減って楽になったとホッとしてたんだけど、ずっと乗っててもテルミニ駅に着く様子がないので、乗車していた女性に「このバスはテルミニ駅に行くの?」って聞いたら、「行かない、間違えて乗ったみたいだね、次で降りて、逆方向のバス乗るしかないよ」、と教えてくれて、なぜか無料だったバスを降りた後、別の女性がタクシーの電話番号を教えてくれた。
 タクシーアプリもエンコードのメッセージが返ってこないし、電話も英語が話せないらしく「Via Dove? どこへ」って言ってるのはわかったが、説明できるような場所ではない。
 偶然、タクシーが通ったからよかったけど、通らなかったら歩いてテルミニ駅まで行くところだった。
 タクシーでホテルの名前を伝えて、ホテルへ。
 遠くの街灯を眺めながら、ローマ人ってフィレンツェ人より垢抜けてて、垢抜けてなさがフィレンツェ人の方が好きなんだよなと思った。
 フィレンツェは芸術の都だから、僕には合ってるんだろう。
 明日からPisaだ。
 ホテルでお湯を沸かして、アールグレイを淹れて飲む。
 あったかくて安心した。
 ここのホテルはバスタブあるけど、Pisaのゲストハウスに行ったら、足湯ができるようにオケみたいなの買わないとな。
 バスタブがない状態で運動もすると、足が浮腫むので、これは必須だ。
 Pisaの海も楽しみ。
 週に3回は行きたい。
 Pisaの斜塔も、傾きを戻す工事をする前に見れてよかった。
 Pisaは、僕が大好きなアントニオ・タブッキの故郷でもある。
 フィレンツェのイングリッシュパーティで詩を読むか、路上でも読むか、まだ未定だけど、とりあえず、練習してYouTubeにアップして、ウェブサイトには載せよう、もっとキレイにならないと、友達もたくさんほしいと思った夜明けだった。

了 

了 

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