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ジョアン・ジルベルトで目覚めるイスタンブールの朝、エミチカさんの逢いたくなる人メモ

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南野 尚紀  

 ジョアン・ジルベルトのアルバム『Corcovado』を聴きながら、少しアクセルを踏みすぎた自分のアクセルペダルをゆるめる午前の終わり頃。
 ジョアンのこのアルバムは、しっかりブラジリアンをやってるし、「E Luxo So」はなんとなくだけど、曲からは世界の広さを感じさせるし、歌詞も「全身が揺れてる」、「贅沢でしょ」、「こんなブラジリアンビートは見たことない」っていうように、サンバを踊ってる人の気分を表現した曲で、聴くだけでおおらかになれる。
 朝は雨が降ってたけど、9時過ぎから止んできたし、今日でご飯を食べるのが5回目のイスタンブールの家庭料理レストランにも、おいしいたまごと牛肉のブレイクファストがあることがわかって、なんとなく今日は気分がいい。
 太陽の光を窓から浴びながら、オレンジジュースを飲み、ウェブサイトのエッセイの推敲を途中までやると、エミチカさんのエッセイを読みたくなった。
 『「逢いたくなる」オーラをはぐくむ モナコからの言葉77』って本、読んで心に勇気が満ちてくるのを感じる。
 昨夜は忙しいのかなと思って、連絡を取る時間をあけすぎたことが多分、原因で連絡が取れなくなったフィレンツェ在住の女性のことを気にかけてたので、あんまり気分がよくなかった。
 でも朝起きてイスタンブールの街を歩いたら、イスタンブールの街に励まされてるみたいな感じがする。
 そしてエミチカさんにも。
 エミチカさんはモナコ在住のエステサロンの企業家で、イタリア移住を志して、イタリアに長めの滞在をした時に感じた、あるあるが本にたくさんあったので驚いた。
 こういう本、好きなんだよなって感じだ。
 例えば、イタリアに住みたい、ウェブサイトの仕事もやりたいって言った途端、友達のほとんどが離れてったことがあったんだけど、エミチカさんも同じことがあったらしい。
 だれも見送りに来なくても、自分の理想を目指すための列車には乗らなくてはいけないということが書いてあって、どんな不幸があってもイタリア移住や文学の仕事を成し遂げなくてはいけないんだと今でも僕は思ってるから、本当に励まされた。
 インプットしたことに、感じたことを加えてアレンジして、書き出すのもそうだなと。
 イタリアに住んで、感じた大きなことは「Thinking about feeling」で、感じたことについて考えるだった。
 「How」の質問はほとんど意味がなく、答えはたいてい「Feel」だとも、エミチカさんは書いてたけど、ほんとにこれも昔からそう感じてる。
 文学の「How」をとある場所で習った時も、結局、「How」を教えるって言って、中身は汚いドロドロの小説を書かせるための政治だった。

 「How」の話だったのに、いつも間にか、その人にしか関係ない現実感覚を押し付けてくる話に変わったこともあったし、さらにそれも一方的な決めつけと偏見だけの話とかがあって、これにはげんなりした。
 結局、教えたいのは「How」じゃなくて、僕の人生にとって無駄になるあなたのどうでもいい美学的に劣悪な話なんだ、そもそも「Why」の話が聴きたかったんだけど、となったことがたくさんある。
 もっと自分の中で大切になったのは、「逢いたくなる人メモ」だ。
 自分にとって逢いたくなる人がどんな人かをメモして、自分の実践できることだけを実践すると逢いたくなる人に逢えるとのことだった。
僕も参考にして、メモとったので、ぜひ読んでみてください。
 ほんとに僕が心から愛した人、3人の話だから。

了 

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