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サブカルサウダージ 第4夜 ランチさんが最高なドラゴンボール、至高善を目指したサイヤ人たちの葛藤

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南野 尚紀 

 ドラゴンボールはイタリアでも大人気みたいなので、一筆、エッセイを書いてみることにした。ドラゴンボールは僕は全編通して読んだわけじゃないけど、マンガ、アニメ、再放送で全部知ってる。

 いろいろ書きたいことはあるし、僕は人造人間17号よりもランチさんが推しだけど、このエッセイでは、セルとブウのことについてだけ書きたいと思う。

 セルはいろんなキャラを吸収することで強くなるが、吸収しすぎて大きくなりすぎたり、人の技をパクったり、とにかくすごい。

 最後は、悟飯と天国にいる悟空が力を合わせてカメハメ波を撃って倒すのであるが、なかなかしぶとい敵だった。

 そのあと魔人ブウが出てくるが、どんどん強い敵が段階を追って出てくるのは、カフカの「掟の門」に似ている。

 もっともカフカは、最初の門番の韃靼人の前で倒れる主人公を書くが。

 魔人ブウは悟空の善の心が呼び起こした魔人なのだろう。

 そういう意味で考えれば、ビル・ゲイツや村上隆が貧しい人をはじめ、いろんな人から寄付金を求められたり、意見を求められたりするが、それと感じが似てる気がする。

 途中でベジータも悪くなるが、最後は悟空が元気玉でブウを倒す。

 重要なのが、サタンの言葉で力を貸す人たちがいるが、手を貸さない人は貸さないまま終わる部分で、最後まで手を貸さない人というのは、本当に悪い人たちに力を貸してしまう人たちなのだろう。

 心を寛大にし、多くの人の力を借りる。

 ビル・ゲイツや村上隆に置き換えれば、いろんな人の意見を受け入れて、流すところは流し、意見を吐いてもらい、力の糧にするのがいいんだろう。本当に嫌な意見は跳ね除けるべきだが、中には彼ら自身を強くするための糧になるものもあるはずだから。

 ダンテなどの多くの偉大な文学者も、このような境地は潜り抜けてきたんだろう。

 物語のパターンは1つじゃないけど、精神的な善の高みという意味では、ドラゴンボールは素晴らしい境地にたどり着いた。

 僕はランチさんが主人公のマンガを描いてほしかったけど、鳥山明先生はもう亡くなってしまったので、描いてはもらえない。

 世の中の悲劇とはいうのは、こういうことをいうんだろう。

 いずれはランチさんについても書きますね。

了 

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