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イタリアンミュージック紹介エッセイ モルトボーノ! 第4夜 ジャズミュージシャン・Massimo Faraò

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南野 尚紀  

 イタリアンミュージック紹介エッセイ、モルトボーノでは、第3夜までポップスを取り上げてきたのですが、今回は僕が恋焦がれてやまないイタリアンジャズの魅力に迫っていきたいと思います。
 ジャズはほんとに深くて、いろんなジャズミュージシャンがいるんですけど、みなさんには大人が聴いても安心できるジャズを紹介しますね。
 イタリアンジャズは、1990年代くらいからジャズの世界で流行しはじまったのですが、活躍してるアーティストを見るとピアノを演奏する人が多いです。
 ニューヨークで活躍してるギタリストのPasquale Grassoもイタリア人ですし、ピアノ以外でもいいアーティストがいるのですが、今回、僕がオススメしたいのは、Massimo Faraòマッシモ・ファラオ。
 彼はジャズスタンダードナンバーっていう、ジャズの世界での有名な曲をよく演奏します。
 「Fly me to the moon」は、彼も得意とするナンバーで、エヴァンゲリオンのエンディングとしても知られていますね。
 綾波レイが水の中をグルグル回ってる映像と一緒に、流れるあの曲、子どもの頃、どう思いながら聴いてたのか、あんまり覚えていないですが、大人な感じだなっては考えてたと思います。
 アルバム「La Musica Per Concilosre : Li Sonno」にも、このナンバーは入ってるのですが、すごくムードあって僕は好きですよ。

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 ジャズスタンダードナンバーを聴くコツは、どうやってアレンジしてるかを聴くことが大切です。
 「Fly me to the moon」の場合は、エヴァのエンディングでも流れてるし、YouTubeでも聴けるので、それとどう違うか味わうのがジャズなんですよね。
 特に、リリックってすごく重要で、この歌詞のところでこの音を使ってるんだっていうのを知ることで、演奏者のメッセージが伝わってきそうな感じがわかったりわかんなかったりするのは少し楽しいです。
 もちろん、メッセージよりもムードの方が大切なので、好きなお酒でも聴きながら、ムードを感じつつ、聴きたいですが。
 基本的に、最初のイントロの部分が終わったあと、サビの部分を1周、演奏するんですけど、それを繰り返しアーティストの好きなようにアレンジしながら、弾くのがジャズで、最後にもう1周、曲を演奏します。
 「Fly me to the moon」でいえば、「Fly me to the moon and let me play……」から、「In other words I love you」までですね、くちずさんでみると意外とわかったりしますよ。
 甘くて、ロマンティックなのがマッシモ・ファラオのよさなのですが、複雑さがあまりなく、いい意味でわかりやすいのがよりいいんですよね。
 楽譜があって、ふつうにこの曲を演奏したら、ここはこの音をこういうリズムで使うはずなのに、ここでタイミング外してきたとか、ここでは弾かないんだとか、ここで勢いをつけて弾くんだ、とか漠然と感じられると楽しいです。
 もちろん、それがわからなくても、気分よく聴けるので、マッシモ・ファラオはオススメですよ。
 別のアルバム「Piano : Stranger In the Night」に入ってる、「You and the Night and the Music」もステキです。

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 マッシモ・ファラオはバラードを弾くことが多いんですけど、このアルバムの中に、アップテンポのナンバー入ってると、気分が盛り上がりますよ。
 ジュリー・ロンドンっていうジャズシンガーがこの歌を歌ってるので、それとあわせてぜひ聴いてみてください。
 ラスト2周の少し手前で、勢いをつけて音を足すんですけど、これは最高ですよ。
 終わり方も拍手が聞こえてきそうなくらいちゃんと決めてくるのが、カッコイイです。
 さらに別のアルバム「Blue Bossa」も、ゆったり聴けてステキなんですけど、これはまたの機会にじっくり紹介しますね。
 別のエッセイでも書いたのですが、南ヨーロッパと東ヨーロッパの女性はロマンティックなムード好きな人が多いんですよね。
 デートの時のムードは、ほんとに大切にしたいと僕も思ってるので、南ヨーロッパと東ヨーロッパの女性と話すのは好きです。
 いずれ彼女ができたら、部屋で一緒にジャズ聴いて、ワイン飲んでゆっくりしたいなとか、そんなこともイタリアンジャズを聴くとたまには考えたりしますよ。

                                了 

#イタリア #ジャズ #音楽 #エッセイ #イタリアンカルチャー #南欧美学 #イタリアンジャズ

#美学 #恋愛 #哲学

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