南野 尚紀
ギリシャ悲劇『アンティゴネー』は、オイディプス王の4人の子どものうちの姉であるアンティゴネーが、目をつぶして、祖国を旅立ったオイディプス王の案内をし、彼が女性を守る女神が宿る土地で死んだ後、戦って非業の死を遂げた年上の兄のために、洞窟で傷つきながら祈る物語であるが、この物語の中には、鳥占いをやる男が出てくる。
4年ほど前に読んだ作品だが、この時点で、鳥というのは勘が鋭く、他の動物とは違う世界に対する反応をする生き物だとは思っていた。
心が安らいでいる時は、スズメ、ツバメなどの小鳥が寄ってきやすかったり、不吉な兆候がある時はカラスが寄ってきやすかったりするということは、文学のみならず、映画の比喩などにもよく用いられる表現だ。
比喩として用いられるだけでなく、実際にそのようなことはある。
僕はコンドルのような大きな鳥が好きだけど、トンビに関して不思議な体験をしている。
鎌倉の由比ヶ浜が好きで、よく遊びに行っていたことがあった。ある時期から、海に遊びに行くと、トンビが大量に集まってきていて、僕を狙っているような気がして、海に行ってもそれが嫌ですぐに帰ってきてしまうということが、何度もあった。
それがしばらく続き、ひどい時には、30羽くらいのトンビが集まって、僕を狙うかのように飛んでいたので、不吉極まりなかったこともある。
湘南には、一時的に住んでいて、今はフィレンツェに住む前の準備期間として、湘南に滞在しているのだけど、フィレンツェへの滞在を経て、変わったことがあった。
それは、イタリアでは、鳥に狙われるどころか、鳥が愛着を持ってこっちに寄って来てくれることがあったように、日本でも鳥の態度が変わったのだ。
ハトも、カラスも、海に行くたびに毎回、怪しい動きをせず、整列したり、穏やかに近くを歩いていたりしているだけなのをよく見かける。
それ以上に大きいのが、トンビが態度を変えたことだ。
フィレンツェから湘南に来た時期に、街を歩いていて、イタリアではまず見ない、短髪で、真っ白な顔をしていて、メガネをしたのび太くんのようなのっぺりした顔の細い青年が、僕に敵意を向けているという様子を何度も見かけたことがあったのだが、その種の男が、海辺で、トンビに襲われているのを見かけた。
他にも、まるで僕の味方をするように、自分に敵意を向けた人間をトンビが狙って攻撃していたことがあったのだ。
もちろん、科学的な証拠こそないが、以前は、トンビがなにかを察して僕を狙って来ていたのだろう。
しかし、なにかをきっかけにして、実は僕が悪いんじゃなくて、僕をそうさせた日本人の中の悪が悪いんだということに気がついて、悪が自分たちを洗脳し、騙したということを恨んで、トンビが悪を攻撃しているのではないかということを思わざるを得ない。
日本には、いまだに、真剣に仕事や結婚に励む人間に悪質な攻撃や妨害を加える人間というのは、無数にいて、それは政治を見てもわかる。
瞑想した際に得られる天啓、神がかり的な夢、善的な奇跡がイタリア、トルコではよく起きたのに日本では、ほとんど起きないのも、明らかに日本人の悪が妨害しているからなのだろう。
国民の代表の代表が選んだ、時の首相ですら、人権無視の極悪国家である北朝鮮、中国を支持するということを見ても、日本が悪なのは明らかだし、結果、本当の善人、美人に心からついていこうとしないこの国の99%以上の人間は、トンビ以下の悪魔なのだなという事実がトンビを通して、主観ではなく、普遍的な客観を伴ってわかった。
トンビの方が善だと言わざるを得ない上に、トンビすらも悪用した人間たちがほとんどの国なんだから、滅んで当然だし、国民の99%は、地獄の落ちるか、魂が消えて、その先苦しみ続けて当然だろう。
それは僕の主観のみの意見ではなく、トンビの行動に見てくだした、1つの客観性のある結論である。
了