南野 尚紀
年末の土曜日、朝はニンジンスープ、昼はバジルトマトのパスタっていうことで、割と質素に食事をしてたら、おいしいものが食べたいってことで、外に出て食べることにした。
Firenzeは生活を重んじる街だけど、アッラ・カラッイア橋の南側は本当に落ち着いている。
歩いていたら、ダンテと銘打たれている大胆な名前のレストランがあったので、入ってみることにした。
店の中は独特に、古い感じで、飾ってある写真も古い、壁画もダンテとベアトリーチェがサンタ・トリニタ橋で会った絵、つまりダンテがベアトリーチェに目を逸らされる絵だが、飾ってあるワインもダンテだ。
いろいろ考えた挙句、フィオレンティーノのズッパ、フィオレンティーノのリゾット、アペロスピリッツを注文した。
アペロは量が多くて満足だったし、ズッパも写真で見ると明らかに映えないけど、ホワイトペッパーの味が効いてて、塩っけがある、豆とか、ほうれん草も味が深くて、すぐには理解しづらいけど、すごく安心する家庭料理の味だ。
リゾットもそう。
ボモドーロ、英語で言うところのトマトだけど、この味が強すぎて、酸っぱいなぁって最初はなったけど、ボロネーゼの味と合っていて、一重にはわかりづらい奥行きのある味わいがある。
これは食べてみないとわからない。
派手ではない、でも家庭的な味。
なるほど!
アッラ・カラッイア橋は駅のまっすぐ南にある第一の橋だけある、生活を重んじているとか、派手でない奥行きのある味わいがFirenzeなんだなという、大袈裟かもしれないけど、Firenzeの本質的な部分を表現してる通りの味だと感じた。
食事も終えて、支払いをして帰ろうと思ったら、「ここに座ってってよ」と言われて、店のオーナーらしきダンテって人と、ホホっていう店のシェフと話すことに。
マリアというウエイトレスとレモンチェッロのストレートを2杯、ショットでストレートで飲んだあと、名前も知らない甘いお酒をショットで6杯、ダンテと一緒に飲んだ。
マリアは埼玉に18年住んでたということだそうで、話を聞くのが上手なステキな女性だった。
ダンテは女性とお酒が好きと話していて、「マリアはシチリアの生まれだ。だけど、シチリアは、ノー」と言ったので、「なんで?」と僕が聞くと、彼は、「僕はフィオレンティーノだから」と答え、Firenzeに来て2日目に、バルのおじさんに、「ミラノにも行ったんだ」と話したら、「ミラノは……」と言いながら首を振っていたのを思い出して、フィオレンティーノは本当にFirenzeが好きなんだなということを思い出す。
一緒に写真を撮って、「Graizeグラッツェ ありがとう」と奢ってもらったことも込みで話し、またここには来たいな、ホホはゲイだって噂もあるし、不思議な店だけど、また来たいなと思い、店を離れる。
散々飲んだのに、帰りに飲み足りないと思い、アメリカンバーに飲みに入った。
ここも流してるアメリカンミュージックがいい、イタリアのラジオもそうだけど、音楽に対するこだわりが強くて感動すらするんだと思いながら、シングルモルトウイスキー・ラフロイグを飲む。
隣にいた女の人には、そっけなくあしらわれたから、うーんと思ったけど、楽しい気分で飲めた。
今日、部屋にサインをもらいに来た家主の人もいいおばあさんだったけど、アッラ・カラッイア橋は渋いんだよなぁ。
これを言うとオヤジくさいけど、Firenzeは生活感のある寂しい通りの感じをあーこうかってわかってこそ、Firenzeなんだ。
バルの仄暗い明かりとか、安心する家庭料理とか。
それでも、僕は派手な、女性的な意味で派手な、インスタ映えする感じが好きだから、単に勉強するとか、仕事に向けてがんばるとか、写真を撮るとか、執筆をするとかだけじゃなくて、男性的な魅力を磨いてかなきゃならない。
やっぱり、将来の結婚相手に「妥協した相手」と思われるのも嫌だから。
本当にいい女性だったら、「妥協」と思われてもとことん愛するけど。
そういうところが男性的なんだろう。
1991年より後の日本の世代は、男女の本質論は語らない方がいいと教育されているらしいが、僕は1990年生まれ、男女の本質論は好きだ。
結婚は自分磨きと同じくらい、どれだけ行動したかなんだろう。
今は自分磨きをしたいけど、時が来たら、動こう。
結婚は理想の人、もしそうじゃなくても、心から愛せる人、できれば、尊敬できるキレイな女性と結婚したいから。
いつもいいねくれる、Ayaさん、富田さん、ありがとうございます。
僕も2人のエッセイ、楽しみにしてますね。








了