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フォトエッセイ マヨナカベル 第1夜 やさしい夜に出会うための旅

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南野 尚紀 

 写真家・森山大道の写真エッセイを読んで、真剣に写真を撮ろうと思うようになった。

 寂しがり屋な自分を隠さないために。

 もっとオーガニックな自分を形作るために。

 ウェブサイトのデザイナーの仕事について調べている時に、写真をフォトストックのサイトに投稿して、ダウンロードされるとお金が稼げるということを知ったことや、ロコタビっていう旅のアテンドをする人を紹介してくれるサイトで、Firenzeに住んでいて、思い出の写真やブライダルの写真を撮ることを仕事にしてる人を見て、ウェブサイトデザイナーと写真家の両方の線を見ながら動こうという仕事の話もある。

 今までは、Instagramとウェブサイトのエッセイのサムネイル用に写真を撮っていただけだったけど、アマチュア写真家としても、仕事としても写真を撮りたい。

 そう思い、写真を真剣に撮ることに。

 森山大道が一眼レフのカメラではなく、コンパクトカメラで世界中を歩きまわって、路上で写真を撮っていたことを知って、とりあえず、スマホでもいいから写真を撮ろうと思い、夜の散歩に出かける。

鎌倉高校前駅の近くのゲストハウスから、江ノ島まで。

 僕の写真は、寂しさを理想の女性とわかちあいたいという感情をテーマにして、夜の街をモチーフに写真を撮ることにしよう、と歩きながら決めた。

 写真って、自分の中でテーマやモチーフのフレームが決まると、こんなにフレームに納めたいと思うモノとか、画角の決め方とか変わるんだと思いつつ、夜の道路や江ノ島の写真を撮る。

 エッセイは、基本的に、存在の喜劇性について書くと決めたので、そこから漏れる自分の寂しがり屋な部分はあまり出せない。

 でも結局、このフォトエッセイも、美学に生きる自分という即面以外の存在の喜劇性を支える部分を描いてることになるんじゃないか、とふと思った。

 寂しがり屋で、仕事はそこそこに趣味に生きてた自分を、結婚寸前まで行った仁美さんは許してくれていたので、今度、仁美さんに似た人に会ったら、安心させてあげたいし、こんな寂しくて、大変な思いをしてきたんだって伝えたいし、口頭で伝えられなくても、フォトエッセイで伝えたい。

 仁美さんが好きだった作家・オスカー・ワイルドの名言に、こんなものがある。

 「雨が降っているなら虹を探しなさい、暗闇にいるなら星を探しなさい」。

 寂しさに包まれてる時は暗闇の中にいるようなものだけど、理想の彼女と出会っても、彼女と会ったあとも、星を探そうと思う。

 写真を撮るだけで、今まで以上に、世界の美しさにも、自分の感情をも彩ってくれる風景にも気づけるし、それをずっと残して、好きな人に伝えることもできるから、写真ってステキだなって思った。

了 

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