南野 尚紀
湘南の浜辺を走りながら、昔やってたバスケの話を思い出した。
評論家の柄谷行人は、石原慎太郎の『太陽の季節』を読んでバスケをやったんだってことみたいだけど、僕の時代は『太陽の季節』は流行ってなかったから、バスケをはじめた大義名分なんか聞かれても「スラムダンク好きだったから」くらいにしか言えないけど、事実、真剣にバスケに取り組んだ。
バスケっていうのは、チームプレイだから、石原慎太郎が『太陽の季節』で書いている通り、自分の力で勝負するっていう自責の念が強い人間には向いてないスポーツで、実際にあったことで言えば、実力があってもチームのメンバーと仲良くやって本気でプレーしない人の方がスタメンに入りやすいなんて話もあって、そこが欧米との差なんだろうけど、『スラムダンク』はそこの考え方が違かった。
山王戦でも「自分の勝利のため」とメンバーは言い切っているし、なにより、流川とゴリ以外の三人は本格的に自分が目立つこと以外は考えていない。特にその中でも、あの試合はチームプレイもいいということを描いた試合だったと言うことだけど、最後の最後まで我を張ったのは三井寿ただ一人。
三井は最後まで、ゴールしか見ていなかった。
「俺にはもうリングしか見えねぇ」ってセリフもあったけど、人生の途上、不良になったりとか、栄枯盛衰を辿った彼は、体力消耗で身体がボロボロになってもなんでも、最後は未来のイメージであるゴールしか見ていない。
欧米だったら、個人プレー重視でいけるけど、日本のマンガである『スラムダンク』はそれ以上は書けなかったんだろう、実質、個人主義は三井に委ねられた。
他で言えば、僕は花道が二足目のバッシュを買いにシューズ屋に行くシーンで、店長が神奈川県の県大会の決勝の話をして、あの試合で負けた時のことを今でもよく夢に見ると話しているのに、花道は特に聞いている様子もないどころか、人生を今も賭けているバスケの夢を託したいと言っている男から、あろうことか、バッシュを一〇〇円でさらっていくということも花道はしてる。それでも、あの話は好きだなぁ。
どんなに努力しても、全員が全国大会に行けるわけではないし。
もう飽きちゃったからこのくらいにするけど、『スラムダンク』おもしろいし、アニメなら坂井泉水ちゃんの歌も聞けるからぜひ見てね。
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了
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